5月のニュース「日経新聞から拾った経済の流れ」
●社会保障・住基一体カード・・・厚生労働省が2011年の発行を目指して準備をすすめている社会保障カードと、総務省がすでに発行している住民基本台帳カードを一枚に統合することで両省が検討に入った。住基ネットの活用によってシステム投資などを節約する。治療記録から住民情報まで一つのシステムでつながることから、プライバシーを保護するための情報管理の徹底が課題になる。(31日)
●長期金利1.8%台・・・長期金利が約10ヶ月ぶりに1.8%台に上昇、米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題が深刻になる前の昨年8月上旬の水準まで戻った。米金融不安が最悪期を脱したとの見方が広がる一方、原油高などで世界的なインフレ懸念が台頭しているのが背景だ。債券から株式に資金を移す動きから日経平均株価は400円を超える上げとなった。(30日)
●投信手数料、上昇続く・・・投資信託の購入時に支払う手数料とは別に、購入後に利用者が毎年負担する管理手数料(信託報酬)の上昇が続いている。信託報酬の上昇は5年連続で、今年3月末の平均値は契約資産の1.315%と1年前に比べて0.013%上昇した。2007年度の株式投信の運用成績が平均で約1割のマイナスと低迷するなか、投資コストは引き続き膨らんでいる構図だ。今後、信託報酬の引き下げを求める声が強まりそうだ。(30日)
●住宅ローン金利上げ・・・三菱東京UFJ、みずほ、三井住友、りそなの大手銀行は6月から住宅ローン金利を上げる方針だ。ローン金利の指標となる長期金利が急ピッチで上昇しているためだ。金利を一定期間固定するタイプのローンが上がり、上げ幅は年0.2-0.3%程度になる見通し。ローン金利の上げは2ヶ月連続で、6月は昨年夏以来の金利水準になる。各行は30日に6月2日から適用するローン金利を発表する。(28日)
●上場商品の多様化加速・・・東京証券取引所は27日、未上場企業を主な投資先とする「買収目的ファンド」や、商品相場に連動する指数連動型上場投資信託(ETF)などが上場できるように制度を整備すると正式発表した。国内金融市場の活性化に向けて、上場商品の多様化や信頼性の向上に向けた取り組みを加速する。(28日)
●アフリカ市場、本格開拓・・・日本企業がアフリカ市場の開拓を本格化する。日産自動車は日本車メーカー初のアフリカ専用車を生産・販売し、三菱重工業は南アフリカ共和国の原発機器会社に出資する。アフリカは資源高を背景に経済成長が加速しており、社会インフラや消費財の需要拡大が見込まれる。日本政府も民間投資を後押ししており、各社はインドなど新興国に次ぐ潜在成長力を持つ市場と位置づけ、積極投資に踏み出す。(27日)
●北洋銀、システム投資350億円・・・北洋銀行が自前で大規模なシステム投資に乗り出す。北海道銀行が北陸銀行や横浜銀行との共同開発によりシステム刷新に取り組むのとは対照的だ。コスト面や商品設計の自由度などを巡る両行の姿勢は異なる。金融機関の将来を占う上で重要なシステム戦略の違いが、両行の経営にどういう影響を与えるのか注目される。(24日)
●ゆうちょ銀、海外投資を本格化・・・日本郵政グループのゆうちょ銀行が海外投資を本格的に始める。約180兆円の運用資産の一部を海外の運用会社に委託し、欧米の社債などで運用、収益力の向上につなげる。委託先の候補には米大手運用会社のブラックロックなどが挙がっている。ただ、ゆうちょ銀は民営化後も政府が実質的に100%出資しており、慎重な運用を求める声もある。(20日)
●自主企画商品「100円」販売・・・ローソンは20日から価格100円(消費税別)の自主企画(プライベートブランド=PB)商品を全国で販売する。調味料など35品目から始める。コンビニエンスストアはメーカー品の定価販売を基本としてきたが、食品値上がりまで割高感が強まっておりPBを前面に出す戦略に転じる。ドラッグストアも来年の薬事法改正で異業種の参入規制が緩和されるのをにらみPBを本格投入する計画で、メーカー品より通常2−3割安いPBが小売店全般に広がってきた。(20日)
●基礎年金、保険料やめ税方式なら・・・政府の社会保障国民会議は19日の雇用・年金分科会で、年金制度改革に関し、基礎年金部分を現行の社会保険方式から財源を全額税でまかなう「税方式」に移行した場合の財政試算を公表した。2009年度から移行する場合、消費税換算で必要な税率の引き上げ幅について、3.5−12%まで4通りを示した。こうした状況を踏まえ、09年度に基礎年金保険料の徴収を完全に廃止し、すべて消費税で負担する「税方式」に切り替えた場合、50年度までに追加的に必要となる財源の規模をはじき出した。(20日)
●自動車保有、初の減少・・・日本を走る自動車の数が減少に転じ始めた。全国の自動車保有台数は最新統計の2月末まで3カ月連続で前年マイナスとなった。3カ月連続の前年割れは自動車普及が加速し始めた1960年代前半以降始めて。人口減や消費者のクルマ離れが背景と見られる。自動車保有の縮小が本格化すれば、保険、整備、燃料など25兆円を超す関連市場の頭打ちが避けられないほか、交通量の増加を前提にする道路整備政策の見直しなど広範な影響を及ぼす。(16日)
●損保の保険料取りすぎ・・・損害保険各社が火災保険などの保険料を取りすぎていた問題で、東京海上日動火災保険など大手損保6社の取りすぎ額が最終的に300億円前後に膨らむ見通しとなった。耐火性の高い住宅向けの割引制度を誤って適用しなかったことなどが原因だ。6社は東京海上日動、損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、あいおい損害保険、日本興亜損害保険、ニッセイ同和損害保険。6社は2006年12月に取り過ぎ調査を始めた。(15日)
●長期金利、日米で上昇・・・長期金利が日米で上昇している。日本では14日、代表的な指標となる新発10年物国債利回りが1.7%と約7ヶ月ぶりの水準に急上昇(債券価格は急落)した。前日に米国で長期金利が3.9%台に上昇した流れを引き継ぎ、一時1.705%まで上昇する場面もあった。世界的なインフレ懸念が金利上昇の背景にある。米国の金融不安が最悪期を脱したとの見方から、市場では米利上げ観測も浮上している。(15日)
●中国経済新たな重し・・・中国・四州大地震は高成長を続ける中国経済の波乱要因になる可能性をはらむ。被災地域の経済規模は全国的に見ればさほど大きくはないが、主要産品である農産物などの出荷が滞れば、高水準で推移する消費者物価は一段の上昇が見込まれる。中国政府はインフレ抑制を至上命題に掲げるが、復興に向け資金を潤沢に提供する必要に迫られており、高成長持続と物価抑制の両立に向け新たな難題を抱えた。(14日)
●道路特定財源を廃止・・・政府は13日、道路特定財源制度を2008年度限りで廃止することを閣議決定し、予算編成時に使い方を自由に決められる一般財源化を巡る議論を本格的に始める。ただ、これまで道路に自動的に充当してきた税収を、どこまで道路以外にも使えるようになるかは不透明なまま。ムダな道路を作らない手立ても見えていない。年末の予算編成に向け、かけ引きは長期戦となる。半世紀も続いた仕組みの改革は容易ではない。(14日)
●後期高齢者医療の保険料・・・75歳以上を対象とする後期高齢者医療制度(長寿医療制度)で与党は、今年9月末までとなっている一部の高齢者(会社員の子供に扶養されていた200万人が対象)の保険料の免除措置を10月以降も延長する検討に入った。今年度いっぱいもしくは来年度中まで延長する安が出ている。ただ延長に伴う財源も必要で、社会保障費の伸びを抑制する政府目標との調整も課題になりそうだ。(12日)
●三菱UFJ銀と提携・・・日本生命保険は中小企業融資で、三菱東京UFJ銀行と提携する。日本生命が銀行代理店となり、希望する中小企業に三菱東京UFJ銀行の無担保ローンを取り次ぐ。5月末をメドに首都圏で始める。日本生命は中小企業の顧客サービスを強化し、保険販売の拡大を目指す。三菱東京UFJ銀行は日本生命の営業網を活用し、融資先を広げる。(10日)
●認可保育所選び自由に・・・厚生労働省は9日、認可保育所と保護者が直接契約し、自動を希望する保育所に預けられるよう制度を見直す検討に入った。市町村が保護者の申込を受けて、入所する保育所を割り振る今の方式から、保護者が保育所を選択できる方式に変える。保育所に入れない待機児童をゼロにするため、財政面での支援を拡充して認可保育所の数を増やすことも検討する。(10日)
●雇用保険、国庫負担を廃止・・・財務省は8日、雇用保険制度の財源の一定割合をまかなっている国庫負担を2009年度から廃止する検討に入った。社会保障費の伸びを毎年2200億円圧縮する政府計画に組み入れる狙いだ。雇用保険の積立金残高が5兆円近くに達し、国の負担なしでも給付に影響はないと判断した。同省は介護保険についても、利用者の自己負担率上げに向けて厚生労働省と調整する構えで、社会保障費抑制を巡る攻防が強まる。(9日)
●株安局面どう動いた・・・日経生活モニターへのアンケート調査によると、相場が暴落した2007年7月以降08年3月までの日本株の運用成績を聞くと、プラスになった人は全体の13%にすぎない。この間の日経平均株価の下落率は約31%だったが、50%以上の損失を抱えた人も12%にのぼる。数少ない"勝ち組″投資家の特徴の一つが、損切りルールの徹底だ。株式投資においては「銘柄選びが運用成績を決める」と思いがちだが、実は「損ギリできるかどうかの方が結果を大きく左右する」(5日)
●外為証拠金取引拡大・・・個人の外貨取引として拡大してきた外国為替証拠金取引が企業の間で急速に広がっている。銀行の両替と比べて手数料が安く、24時間取引が可能といった使いやすさに注目し、貿易代金の両替に使う輸出入企業が増えているためだ。外為証拠金取引は元手として預ける証拠金の数倍から数十倍の外貨を売買できる。銀行の外貨預金などと比べて手数料が安いこともあり、個人の新たな外貨取引手法として広がっている。(5日)
●日航最高益、再建へ一歩・・・日本航空は2日、2008年3月期の連結営業利益が前の期比4倍の900億円程度になったと発表した。日本エアシステムと経営統合した02年以降で最高となった。燃料費抑制など経営再建に向けて断行したコスト削減策が奏功。経営利益も3・4倍の690億円とした。ただ未曽有の原油高や米国景気の変調など収益環境は厳しさを増しており、今期は一転減益の可能性もある。完全復活には一層の合理化策が求められる。(3日)
●要介護、判定基準見直し・・・介護の必要性(要介護度)の認定方法を検討していた厚生労働省の検討会は2日、要介護度を判定するためのチェック項目のうち約3割に当たる23を対象から外すべきだとの意見で一致した。「感情が不安定」などの客観的な判定がむずかしく、判定をする人によってばらつきがでやすい項目などが対象。厚労省はこれを受け、2009年度から要介護の認定方法を見直す。(3日)
●不安残すも株安一服・・・2日の東京株式市場で日経平均株価が3日ぶりに大幅反発し、終値で2ヶ月ぶりに1万4000円台を回復した。3月安値からの上昇率は19%に達し、米国発の金融危機を震源に不安が連鎖し、世界的に株価が動揺した局面からはひとまず抜け出した。もっとも日米の実体経済の先行きには不透明感が漂う。市場関係者は先行きになお慎重だ。(3日)
●ふるさと納税ようやく始動・・・故郷の自冶体などに寄付した場合に住民税を控除する「ふるさと納税」が、先月30日に地方税法改正案で衆院で再可決されたのを受けてようやく始動した。地域間の財政格差を縮小するため、政府が打ち出した看板政策。財政難に悩む自冶体にとって大都市圏などに住む地元出身者の寄付が新たな「財源」になるため、都道府県、市町村はそろって受付窓口の充実、県内外でのPR活動に力をいれている。 (2日)
●糖尿病の疑い、1870万人・・・糖尿病が強く疑われる人と可能性が否定できない「予備軍」を合わせると計約1870万人と推定されることが30日、厚生労働省の「2006年国民健康・栄養調査」でわかった。成人の5.6人に1人の計算で、02年の調査より約250万人(15.4%)増加した。同省の担当者は「高齢化や食習慣・生活習慣の変化が関係している」とみている。(1日)
●住宅ローン金利上げ・・・5月から住宅ローン金利が上がる。三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行の3行は30日、金利を一定期間固定するタイプのローンをすべての期間で上げると発表した。三菱東京UFJ銀行は全期間の金利を上げることを決めている。ローン金利の指標となる長期金利が上昇していることに対応する。ローン金利は下げ傾向が続いていたが、3月ごろから小幅に上げてきた。各行の金利はおおむね昨年秋ごろの水準となる。(1日)
